「もう少し考えてからにしよう」と思い、なかなか着手できないことがあった。
慎重に検討しているつもりで、条件を整理し、リスクを想定し、最適なタイミングを待っている。
多くの人にとって、これはよくある状態だと思う。
一見すると「考えすぎて動けない」ように見えるが 立ち止まって振り返ってみると、別の構造が見えてきた。
考えている時間はそれなりにあったにもかかわらず**判断そのものは一つも増えていなかった**。
ここで初めて気づいたのは、これは思考が足りない状態ではなく、**「今は決めない」という判断を選び続けている状態**だということだった。
決断を先延ばしにするとき、人は「何も決めていない」と感じがちだ。
だが実際には、「決めない」という選択をしている。
しかもそれは、多くの場合、意識的な判断ではない。
「まだ材料が足りない」「もう少し様子を見たい」といった言葉で判断を先送りしている事実を覆い隠してしまう。
振り返ると、自分も同じだった。
材料が揃う基準も、見極めが終わる条件も決めないままただ時間だけが過ぎていった。
考えていたのではなく**決めなくて済む状態を維持していただけ**だったと言える。
この構造に気づいてから「考える」と「判断する」を意識的に分けて捉えるようになった。
考える時間が必要なこと自体は問題ではない。
ただし、判断を先延ばしにするのであればそれを一つの判断として自覚する必要がある。
たとえば、「今日は決めない」と決めるのであればなぜ今日は決めないのかいつ、どの条件が揃えば判断するのか。
そこまで言語化できていれば少なくとも無自覚な先延ばしにはなりにくい。
もし「考えすぎて動けない」と感じたときは本当に考えているのかそれとも「決めない」という判断をしているだけなのか。
一度立ち止まって確認してみてほしい。

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